【本・感想】オードリー若林さんのエッセイに救われた話【社会人大学人見知り学部卒業見込み】
ツイッターで済まそうと思ったけど140文字では足りなかったのでブログに書くことにしました。ちょうど今起こったことなんですけど、それが風化しないうちに書き留めておこうと思います。
社会人大学人見知り学部卒業見込み
人見知りで、どん底生活ゆえに社会を斜めに見ていた売れない芸人が、一夜にしてスターダムへ。
ようやく足を踏み入れた華の芸能界で彼を襲ったのは、社会という名の強烈なカルチャーショックだった。
……あれ? オレ社会人として、いろいろダメじゃない??
生まれ持った自意識と、どん底時代に培った後ろ向き思考に折り合いをつけながら、彼が導きだした、社会への参加方法とは。
いまや芥川賞作家である又吉さんもTwitterで称賛していました
オードリー若林さんの、完全版『社会人大学人見知り学部卒業見込』を読んだ。刺さりまくった。一つのことを考え抜いた論理的思考が凄まじい。これは誰にも真似できない。泣ける。でも、若林さんの、凄いとこは、それさえも感情で、情熱で、熱量で超越するところ。だから、好き。ありがとうございます。
という風に大大絶賛している本です
発売後すぐに重版が決定したり、2016年、読書メーターの「就活生に進めたい本」第1位に輝いたりしています
エッセイに助けられた
ブログのタイトルにもあるように俺は内向的な性格で友達も決して多くないけれど、地元に本当に仲のいい友達がいる。そいつとは中学からの仲で大学1年の今まで頻繁に会う親友。
「おれさー仕事辞めた ニートになったわ」
と先ほどその親友からLINEがきた。
高校卒業から約1年間そいつは休む暇もないくらい働いてて、仕事にどれだけ一生懸命だったかは一番俺が知ってるつもり。そんな奴だったから正直仕事を辞めると聞いて驚いた。とりあえず「どうした?上司と喧嘩でもしたか?」と送って理由を聞くことにした。
そしたら「いやー海外とか行きてーなーって思ってて。今の仕事もなんか違うなーって感じよ」と返信が来た。確かに前から海外志向が強かったが、仕事がしっくりきてなかった、というのは初耳だった。
再就職先も進学先も決まってないまま仕事を辞めるわけだから、不安で怖かったはず。そのうえで決めているわけだから、その決断が彼にとって軽々しいものじゃないのは容易に想像できる。明るくてふざけた奴だけど、そいつなりに悩み抜いて出した結論だろう。
そんな重い決断をした友達にどう返事を返してやればいいのかわからなかった
本人でもない俺が、あーだこーだ言う権利は俺にはまるで無い。だからその決断を尊重してあげたい。けどなんて送ろうか。
「がんばれ」? 上から目線にならないだろうか。
「お前ならやれる」? 他人行儀に感じないだろうか。
「何があってもお前の味方だよ」? 重たすぎて煩わしいだろうか。
既読をつけずにしばらく悩んでいると、確か若林さんのエッセイの中にちょうど今の俺の状況にぴったりの内容があったぞ、と思い出した。そして何かヒントになるかもしれないと、すがるような気持ちで本棚から取り出した。
若林さんのエッセイ、『社会人大学人見知り学部卒業見込み』は俺にとって特別な本で何度も読み返している。文庫に関しては2冊持っていて、うち1冊は好きな部分をマーカーでチェックする用として買い足した。そのくらい大好きな本だ。
確か、若林さんが知り合いをどう応援してよいか悩むという内容だったな…………。
目次を開き、そうそうこれこれと「ファイト!」という章を見つけ開いた。
「ファイト!」の内容は、若林さんが大きな仕事を控えた知り合いになんと返信すればいいかのかを模索する、というもの。
多分読んだ人は覚えてるかな?
なんて返信すればよいか悩みぬいた結果中島みゆきの「ファイト!」から引用して「冷たい水の中をふるえながらのぼってゆけ」と返信。すると「??」と返ってきて、素直に「がんばって!応援してます!」と送りなおしたところ、「ありがとう!がんばります!」とスムーズに返ってきたよ、という内容。
久々だったから2回ほどじっくり読み直した。
そして、今の俺と同じ状況であることを再確認した。俺が今直面している葛藤をもう若林さんはもう経験していて、その経験をエッセイとして残してくれている。これを利用しない手はない。
若林さんが送ったように、応援しているという旨を伝えよう。抱えていた葛藤はもう消えた。
「とにかくお前が何するにしても応援してるわ」と送信する。これでいいんだろ?
すると1分もしないうちに
「お前泣かせるんじゃねえよ」と返信が来た
あぁ、良かった。
本は役に立つ
そんなこんなで若林さんのおかげで俺は親友に気持ちを伝えれたわけです
「本は本当に必要なのか?」とか「本は何の役にも立たないのではないか?」と本の実用性がしばしば議論される
俺も本が好きな人間の端くれとしてちょっとその件について考えてみたことがある。読書が人生において重要だとうそぶく本が書店に並んでいる一方で、別に本なんて読まなくてもいいと断言する人がいる
そんな中で俺自身も役に立ってくれと願いながらも、「本が人生において大切なことを教えてくれるという美しい定説」を信じれないでいた
だが、若林さんのエッセイが役に立ったことは俺にとって紛れもない事実。本が役に立つ、立たないというしょうもない議論や葛藤を吹き飛ばしてくれた
本が役立つ役立たないとか色々な立場考え方があると思うけど、とにかく俺は役に立ったよ
わからなかったことを教えてくれて、本は素晴らしいと思わせてくれて、ありがとう若林さん。
本当にありがとうございます
…………というおはなし笑
- 作者: 若林正恭
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