あみだくじ

大学2年生 読書、お笑い、ラジオ、音楽、考えたこと

【意味/解釈】amazarashi「つじつま合わせに生まれた僕等を紹介する【歌詞】

「最近は声が高くて薄っぺらい歌詞が特徴のバンドばっか」

どうつもこいつも、翼を広げて、桜が待って、瞳を閉じて、君を思って、希望を詰め込みやがって

そう感じている人も多いことでしょう。



そんな人のために満を持して紹介したいのがamazarashiというバンドです!

数ある良曲の中から今回は「つじつまが合わせに生まれた僕ら」という曲を紹介します

amazarashiって?

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↓amazarashiの詳細はこの記事を読んでください↓
feelsogood.hatenablog.com

amazarashiのコンセプトはアンチニヒリズムです

つじつまが合わせに生まれた僕ら

歌詞

遠い国の山のふもと この世で一番綺麗な水が湧いた
やがてそれは川になり そこに群れを作った魚を
腹を空かした熊が食べて 猟師が熊の皮をはいで
それを市場で売りさばいて 娘の為に買った髪飾り
悪い人間がやってきて 全部奪ってしまったのは
歴史のちょうど真ん中辺り 神様も赤ん坊の時代
母親のこぼした涙が 焼けた匂いの土に染みて
それを太陽が焦がして 蒸発して出来た黒い雨雲

その雲は海を越えた砂漠に 5ヶ月ぶりの雨を降らせた
雨水を飲んで生き延びた詩人が 祖国に帰って歌った詩
それを口ずさんだ子供達が 前線に駆り出される頃
頭を吹き飛ばされた少女が 誰にも知られず土に還る

そこに育った大きな木が 切り倒されて街が出来て
黒い煙が空に昇る頃 汚れた顔で僕等生まれた
善意で殺される人 悪意で飯にありつける人
傍観して救われた命 つじつま合わせに生まれた僕等



高層ビルに磔の 価値観は血の涙を流す
消費が美徳の人間が こぞって石を投げつけるから
金にもならない絵をかいた 絵描きは筆をへし折られて
見栄っ張りで満員の電車が 走る高架下で暮らしている
喜怒哀楽をカテゴライズ 人に合わせて歌が出来て
悲しい時はこの歌を 寂しい奴はあの歌を
騙されねーと疑い出して 全部が怪しく見えてきて
人を信じられなくなったら 立派な病気にカテゴライズ

不健康な心が飢えて 悲劇をもっと と叫んでいる
大義名分が出来た他人が やましさも無く断罪する
人殺しと誰かの不倫と 宗教と流行の店と
いじめと夜9時のドラマと 戦争とヒットチャートと

誰もが転がる石なのに 皆が特別だと思うから
選ばれなかった少年は ナイフを握り締めて立ってた
匿名を決め込む駅前の 雑踏が真っ赤に染まったのは
夕焼け空が綺麗だから つじつま合わせに生まれた僕等

ふざけた歴史のどん詰まりで 僕等未だにもがいている
結局何も解らずに 許すとか 許されないとか
死刑になった犯罪者も 聖者の振りした悪人も
罪深い君も僕も いつか土に還った時

その上に花が咲くなら それだけで報われる世界
そこで人が愛し合うなら それだけで価値のある世界
だからせめて人を愛して 一生かけて愛してよ
このろくでもない世界で つじつま合わせに生まれた僕等

感想、分析

どうでしょうかこの重みのある歌詞。

一番は「善悪関係なく、すべてのことが作用し繋がっている」という意味でしょう。

善意で殺される人 悪意で飯にありつける人
傍観して救われた命 つじつま合わせに生まれた僕等

盛り上がる部分が歌詞が個人的にグッときてまして。

というのも「傍観して救われた命」って自分のことなんじゃないかなとか思ったり。「善意で殺される人」も「悪意で飯にありつける人」どちらも僕らはニュースやらネットなどで目の当たりにしているはずです。

ほかにも正しいことをしたのに被害をこうむるを人がいれば、悪いことをして得する人もいるも存在しています。正しさが報われる世界ではないし。

そんな善意や悪意から行動を起こした人を遠くから傍観しているのが僕たちなのかなぁ、と。

善意が報われずに悪意や傍観が得するのはなんだか虚しいものですね。

誰もが転がる石なのに 皆が特別だと思うから
選ばれなかった少年は ナイフを握り締めて立ってた

「誰もが転がる石」ということは皆が別に特別じゃないし一緒ということでしょうね。おそらく、つじつま合わせという単語と意味が近いです。

理想とかけ離れた現実にギャップを感じ、何者にも慣れない自分へのイラつき。何にもなれなかった少年が「ナイフを握る締めて」るわけですね。自分が特別だからと驕ってしまったが故の絶望でしょうか。

この歌詞と真逆に位置するのが世界に一つだけの花だと思います。

小さな花や大きな花 一つとして同じものはないから
NO.1にならなくてもいい もともと特別なonly 1

「誰もが転がる石」であるという主張も「誰もが特別なonly1」であるという主張もおそらくどちらも間違ってはいない。

どちらを信じるかは結構性格が出ると思います。誰もが特別のほうが信じたいところですが、「つじつま合わせに生まれた僕ら」には続きがあるのです

死刑になった犯罪者も 聖者の振りした悪人も
罪深い君も僕も いつか土に還った時

その上に花が咲くなら それだけで報われる世界
そこで人が愛し合うなら それだけで価値のある世界
だからせめて人を愛して 一生かけて愛してよ
このろくでもない世界で つじつま合わせに生まれた僕等

僕らは何が正しい選択なのかわからない世界に生きています。歌詞であるように善だと思ってした行為が気づかないところで悪になっているかもしれません。

何が正解かわかりませんが、この曲では最後の答えを出しています。

それが「人が愛し合うなそれだけで価値のある世界 だからせめて人を愛して 一生かけて愛してよ」の部分です。

何が正しいかわからない。だからこそ人を愛そう、というわけです。

ところでamazarashiのコンセプトを覚えているでしょうか。


アンチニヒリズムです


善意ではなく悪意を持った人が得をし、誰もがつじつま合わせに生まれた転がる石のような存在であるという絶望的な事実。

その絶望の中に人を愛するという救いを歌っているのです

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それでは!