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映画 es[エス]のあらすじ、感想レビュー/人は誰しも悪魔を飼っている

権力を与えられた人間と与えられなかった人間が、狭い空間で一緒にいると次第に理性の歯止めが利かなくなり暴走する



これは映画esの題材であるスタンフォード監獄実験でわかった実験結果です。

1971年、今ではできないような危険な実験がアメリカのスタンフォード大学で行われ、驚くべき実験結果となってしまったのです


映画es[エス]の基本情報

es[エス]はオリヴァー・ヒルシュビーゲルが監督したドイツ映画であり、日本では2002年に公開されました。タイトルは「実験」という意味


1971年にアメリカのスタンフォード大学で実際に行われたスタンフォード監獄実験を元にしたマリオ・ジョルダーノの小説『Black Box』が原作です


また日本で公開される前の、2001年度にヨーロッパ映画賞作品賞、ノミネート作品となっており高い評価を得ています。


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スタンフォード監獄実験





この映画はスタンフォード監獄実験という心理学実験が題材になっています。実験の概要は下記にwikiから抜粋。

1971年にアメリカ・スタンフォード大学心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドー の指導の下に、刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験が行われた。


結果的にこの実験の仮説は立証されます。ですが実験を行った学者の予想を上回る結果となります


当初2週間の予定だったはずが続行は危険とみなされ、たった6日間で実験は中止されました


新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者21人の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。

その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるということが証明された





スタンフォード監獄実験の実験結果は以下の2つ。

強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう

  • 非個人化

しかも、元々の性格とは関係なく、役割を与えられただけでそのような状態に陥ってしまう



映画es[エス]あらすじ



2週間で4000マルク(約20万円)の報酬で集った20人の男たちを「看守」「囚人」に分け、疑似的な刑務所で2週間クラスという実験が行われた。

教授は「看守」にこの刑務所の秩序を守れと命じる

最初は和気あいあいとふざけながら、看守も囚人もこのゲームを消化して報酬をもらおうと考えた。

しかし、両者に摩擦が生じると「看守」が「囚人」を制圧するようになる。


「囚人」側に精神に異常をきたす者も現れるが、どんどんエスカレートし虐待行為や禁止されていた暴力行為にも手を染め始め、助手は実験を止めようとする。


しかし博士不在になると実験を中止しようとした助手らを拘束し牢屋に入れるという常軌を逸した行動をとり始め、結果としてこの実験は死者や負傷者を続出させる惨劇となってしまう、、。




映画es[エス]の感想

スタンフォード監獄実験については軽く本で読んだことがあって内容を知ってはいましたが、改めて映像で見るとえげつない実験だと再認識しました


描写自体が少しグロテスクだし、人が人を虐待しているのを見るのは結構な負担です。苦手な人は注意したほうがいいかもしれません、、、。




様々な虐待が行われましたが、一番不快だったのは行為自体ではなく「看守」が虐待に慣れていったことです。


まだ和気あいあいとしていた2日目に「囚人」が「看守」二人をふざけて監獄に入れるという事態が起きました。すると、看守らは作戦を練ると消火器を噴射し服とベットを奪うという行為に出ました


ここが両者に緊張が生まれてた決定的瞬間でしょう。実験を行った博士も「まさか(短い時間で)ここまでとは」と漏らしていました。


忘れてはいけないのが「看守」が「囚人」を支配する正当性が「教授が言っていたから」、たったそれだけだということです。

そもそも「看守」は看守役にすぎないですから「囚人」は何も罪を犯していませんし。

それなのにあそこまで残虐なことをできるのですから人間とは恐ろしい生き物です

「看守」は秩序を保つためだと、もっともらしいことを言っていましたが、やっぱりこれはゲームでしかないです

傍からしてみれば暴力や虐待をしてまで秩序を保とうとするのは狂気でしかないです。支配することに心地よさを感じていたのでしょうかね


と、ここまで「看守」を非難するようなことを書いてきましたが、「看守」達は極悪人やサイコパスを集めたわけではありません。普段は普通の暮らしをし、博士の匙加減では「囚人」だったかもしれない人たちです。

両者の違いは権力があるかないか、たったそれだけですから

つまり、狭い空間に権力がある人ない人が一緒にいると、どんな人でも暴走してしまうということです

どんな性格の人でも環境次第で善にも悪にもなりうるんですね



まとめ

なかなか見るのに負担のいる映画でしたが、非常に興味深い内容で引き込まれてしまいました。

また、似たような心理実験でミルグラム実験というものもありますが、この2つの実験は世間から厳しい批判を受けました。被験者に精神的苦痛を与えたわけですからね

ですがこれらの実験は非常に貴重で有益です。もしも似たような環境に置かれたときに実験結果を知っていれば適切な行動をとれるはず。ぜひとも生活に生かしたいですね。



それでは!